地球の歴史で植物が最高に光合成したのは、前項の恐竜時代・・・・の項目で記したように、
恐竜が地球生物の王者として君臨し闊歩した時代である。
植物栽培で、作物栽培で、より多く、より大きくを望むのであれば、
恐竜時代の地球環境、生態系を真似ればよいことになる!
1億年前の地球を再現すればよいことになる。
アンデスの高山植物
プヤ ライモンデー
100年に一度花を咲かせ夥しい種子を稔らせ
枯れてゆく・・・。
このスローな生活は、ひたすら100年後の
子孫を残すために痩せた場所で、貧しい枯れ落ち葉
を養分にしながら、貧しい光合成を行ない続ける。
100年後「澱粉」が100kgほどに備蓄したとき、
この澱粉をエネルギーにして約10mもの巨大な
花穂を伸ばす。
この壮大なエネルギー源はあくまでも澱粉である。
是が、高山における炭素循環の壮大なドラマである。
この雄大な花穂を伸ばす・・・細胞増殖エネルギーは
肥料ではない!
この講座は・・・この澱粉のどうして備蓄したのか???
そういうことである。
カタクリのカタクリ粉。
この澱粉をどうして蓄えたか・・・ということである。
ボルネオ島の熱帯雨林に自生する
ショクダイオオコンニャク。
植物園で何十年振りに咲けば・・・ニュースになる。
2010年も鹿児島の植物で咲いたとか。
この巨大なコンニャクの花も、
熱帯雨林の膨大な枯れ落ち葉の炭素を変化したもの。
アンデスの高山と熱帯雨林の違いはあるが、
短時間に巨大な花を咲かせられるのは、
澱粉を・・・爆発的に燃やすからである!
最高に育てたい!
植物、作物栽培するものは必ず・・・このように思う。
このために勉強したり努力したり・・・自生地にまで出かける。
自生地には最適な環境条件がある????
しかし、ラン科植物は、自生地では身分相応???につつましく生きている姿を見る。
特に、園芸の植物の中には蘭科植物のように逆にスローライフで生き残って来たものもある。
植物の進化がダーウインのいうように「適者生存」なら、生長を遅くして生き残ったのであれば、
そのようにしたほうが都合が良いことがあるのかもしれない。
より早く大きくだけが・・・生きる最善の方法ではないのかもしれない。
しかし、こういう植物を人間が関ると、より早く、より沢山の花を咲かせたいという、
逆の行き方を強いる栽培が行われることになる。
ラン展などには・・・努力の結晶、限界に挑戦したような素晴らしい鉢が出る!
スローライフの植物も、光合成をより多く行なえる条件を与えれば、
他の植物のようにより早く生長して、ビジネスが出来るかもしれない・・・・。
事実、ラン展で観衆をうならせるのは、沢山の花を咲かせた鉢である。
人間の・・・どうしようもない向上心のDNAが、技術の向上につながってきた。
そういうことで、科学的に考えると「光合成」を最高にすれば、より早く、より大きく育つはずである。
この考えから光合成を考えると・・・適温条件下で「炭酸ガス濃度」を高くして、
電気をつけて日長を長くすれば・・・より光合成は多くなる・・・・。
現在植物工場で行なわれている技術である。
この技術は蘭界では1960年代に既にアメリカでカトレア、Cymbidiumの育苗で行われている。
苗生産現場で採用された技術である。
しかし、是を導入して・・・大生産を狙った有名蘭園は殆ど挫折し姿を消した。
なぜか????
植物生態系を考えなかったからである!
より早く、より大きく・・・という栽培は、逆により早く衰弱、より早く老化、
より早く枯死ことだったのである。
なぜ、そうななったか????
光合成をより多くさせ、それに並行して多肥栽培を行う。
思えば、ランが花を咲かせるのは、花が目的ではなく種子を稔らせるためである。
人間の愛好、ビジネスのために花を咲かせるのではない!
ランの栽培者は花を愛でるから、このことを忘れている人がいる。
花の時代は・・・中間ステージである!
ラン展の会場が、華やかではあるが、逆に哀れ、寂しさを感じるのは・・・
種子を稔らせることのない・・・・無駄花だからと宇井清太は感じるがどうであろうか???
ラン菌の削除された人工的な体は、必然的に脆弱な組織を形成している。
スローライフを選んだ植物は、悪条件に遭遇したとき生き延びるために選んだ道である。
森の光争奪戦で負け組みの植物は、悪条件を想定した進化を行ってきた。
少ない光合成でも生きられる、子孫を保存できる方法をである。
ランは菌根植物である。
このことを、科学的に行った大ラン園は挫折した。
大豆、小麦、トウモロコシ・・・のようには、大農園経営はできなかった!
ランの生態系は・・・簡単なものではなかったからである。
ラン菌との共生。
この原理原則を削除して、光合成、肥料に焦点を合わせたからである。
老化、株分け後の作落ちを回避できなかった。
株が若いときは、確かに・・・素晴らしい生育をした。
しかし、鉢に植えるランは、2,3年すると鉢に根が廻る!
このとき最高の花が立つ。
問題はその後に起こった!
必ず株分けという手術が待っている。
このとき大きく作落ちする。
この作落ちを、炭酸ガス濃度をタ高くし、電気をつけて長日にし、肥料を与えても解決しなかった。
この問題を解決するのが生態系に視点を置いた
ラン菌による炭素循環栽培法である。
植物は移動できない。
最適な条件を求めて動物のように移動できない。
そういう植物は、種を保存するために「保険」「エネルギーの安全保障システム」を構築している。
光合成の不足を補うための。
それが好気性菌のラン菌である。
枯れ葉を分解する材木腐朽菌(ラン菌)である。
リグニン、セルロースを分解すれば低分子の糖、糖質が生まれる。
この糖を光合成の補完として使用している!!
SUGOI-ne栽培では、株分け後格落ちしないのは・・・このような理由である。
前記のランを株分けしたとき、なぜ作落ちしたか????
用土の枯れ落ち葉もラン菌も・・・ないからである。
当然、糖、糖質はない。
株分けで弱った株は、充分な光合成が出来ない。
足りない分は、バルブに蓄積した養分・・・備蓄を食いつぶすしかない!
食いつぶして新しい根を伸ばさなければならない。
日ごとに備蓄は減少してゆく・・・・・
肥料。
肥料で光合成の減少をカバーできない。
猛暑で弱った植物に肥料を与えても、吸収する力が衰えているから、
効果はない。逆に逆効果である。
自生地では誰も肥料を与えていない。
植物はどうやって猛暑、異常気象を凌いでいるのか????
ランの場合はラン菌の助を借りて凌いでいる。
他の光独立自養植物ではどうか・・・
近年になってこの独立自養植物でも100%光合成のみで生きているのではないことがわかってきた。
根圏に生息する多くの菌のネットワークが、植物の生存に深く関与していることがわかってきた。
病害菌繁殖の抑制・・。
その方面だけでなく、光合成の不足をカバーしている事がわかってきた。
ラン菌〔材木腐朽菌)による炭素循環栽培法は、
劣悪な環境になったとき、それを凌いで元気に生育する栽培法である。
気候が良い時は誰が作っても良い作柄である。豊作である。
しかし、気候が悪いときは・・・作柄に大きな差が出る!
植物栽培の是が常識である。
今年の出来はどうですか?????
植物栽培している人に尋ねる時の常套句である。
この言葉は・・・植物は気象条件で大きな差が出ることを・・・人々は知っているからである。
豊作、凶作。
是は、ラン栽培でも出てくる。
今年の鉢の出来はどうですか????
市場関係者なら・・・この作柄で相場が大きく変わるから、作柄に敏感である。
ラン菌による炭素循環栽培法は、共生菌の力を借り手て悪条件を克服して、
どんな年でも素晴らしい生育になる栽培法である。
枯れ落ち葉の糖、糖質が・・・エネルギー源になるからである。
リービッヒが、必須元素16の中で、Hは水から、Oは空気から、Cは空気の炭酸ガスから植物は摂取するとしたが、
この炭素Cを・・・本当に植物は炭酸ガスのみから摂取しているのかという疑問である。
光合成する葉を持たない腐生ラン、プロトコームが生きている現実を、
光合成の理論では説明がつかない・・・。
しかし、このラン菌による炭素循環栽培理論では見事に説明がつく。
共生菌の研究は・・・21世紀の最先端の研究テーマになる。
生態系研究の中で共生菌は重要な位置を占めることになろう。
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光合成を最高にさせることは不可能
現在の地球の自然界は植物が最高に光合成出来るような場所ではない。
不足分を補うには・・・・